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「マツリカの炯-kEi- 天命胤異伝」を全ルートクリアした感想

※途中からネタバレがありますので未プレイの方はお気をつけください。

※ネタバレのない範囲で言うと、苦行のルートがありつつも全体的にTwitter(現X)のFF内の評判よりは楽しめたかな・ルヲの「 雨前終節」エンドとゼベネラルートが良かった・続編は購入予定…というのがざっくりした感想です。

 

 

 

 

ネタバレなし感想

はえろい作品が好きです。最近はえろ絵を描く練習もしてますし、えろはあればあるだけ嬉しいと思ってます。えろはご褒美です。

そんな私が、「ことあるごとにえろいことするタイプの乙女ゲームは好きなんじゃないか?」と思い、Twitter(現X)でタイトルを募ったところ、挙がったのがこちらのタイトルでした。

結論を言うと、「えろはえろいから好きなのであって、えろくないえろはあんま嬉しくないしそれが作品を面白いと思う気持ちに寄与するかと言われるとそれはまた別の話」ということがこの作品を通してわかりました。勉強になったなあ。

作品上、「子供を遺すこと」はそれなりに重要な意味があるということが後半のほうでわかるので、キャラクターたちがことあるごとに子を成そうと性行為するのはそんなに違和感はなく、単なる子作りとしての性行為と、愛し合うがゆえの性行為とのギャップがあるのは良かったです。ただ、そこらへん含めて攻略キャラと主人公の心の揺れ動きや交流などが丁寧に描かれているかというとそういうわけでもなく…。あと「えっち」かというとあんまりえっちさもなく(フォロワーさんにお見せしていただいた小冊子はけっこう「えっち」でよかったですが)、個人的には性行為なくてもいいので、もっといわゆるところの「前戯」的な、「ドキドキワクワク感」があったほうが嬉しかったです。触れ合ってドキドキ、シチュエーションでドキドキみたいな。

「えっちな描写は確かにあるけど、それがあるからといって別にえっちではない」というのが残念なところではありました。

じゃあ肝心のえっちなところ以外はどうかというと、よかったルートはあるものの、だめなルートはめちゃくちゃだめで、特に「青凛」ルートはめちゃくちゃ苦行でした。

描きたいシーンがあってそれのために物語を紡いでいる感じがあり、「いやそんなことする前触れありましたか……??」みたいなことがいくつかあり、つらかったです。確かにピンポイントで見ればそれらのシーンは感動的ではあるのですが、その感動をやるための下ごしらえが全く丁寧ではないので、余計しらけるんですよね。

あと前のほうでも少し触れましたが、「攻略キャラと主人公との心の揺れ動きや交流」面はさほど丁寧ではなく、どちらかというと全編を通して、「市井の者たちがくそすぎてうざい」「権力ある人間の浅ましさがうざい」みたいなところが目立つのでけっこうストレスでした。物語のスパイスとしてそういった要素があるのはわかるし必要だとも思うのですが、肝心の味付けである「攻略キャラとの物語」のパンチが弱いルートもあってもっとうまいことやってほしかったと思います。

特に「青凛」ルート、は、青凛が何をしてくれたのかほとんど記憶になく、もっと爪痕を残してほしかったです。優しい人なのはすごく伝わるのですが、宮殿にはびこる悪意に対して、その優しさがあんまり有効ではなかったので余計…。

私の好みなのですが、良いことも悪いことも、攻略キャラによって引き起こされることのほうが良いです。もちろん、物語が上手なのであれば、それは気にならないと思いますが普通に物語の構造が下手寄りなので(ライターの問題なのかディレクターの問題なのか。あと普通に私が悪いってのもある)…。

真相ルートとも言うべきルートで明かされる真実はすっごく面白かったので、もっと要所要所で頑張ってほしかったなと思いました。

良いところももちろんあって、イラストがめちゃくちゃきれい! スチルも立ち絵も違和感ないし、絵がきれいですごく良かったです。

あとエンディングが「春前終節」「明前終節」「雨前終節」の3つあって、特に、おそらくハッピーエンドではなさそうなエンディングはどれも程よい絶望感があって良かったです。特にルヲの「雨前終節」がすごくすごく良くて…!! フォロワーさんから、バッドが良いよ~と教えてもらわなかったらきっとそもそも本作をクリアできていなかったかもしれません。それくらいバッドエンドは良かったです。

性行為描写がたくさんあったのも全然嫌ではなかったので、私としては面白かったです。ただ、「面白かった」で済ますには、「つらさ」「制作サイドへの”もっとどうにかならなかったん?”という思い」「苦しみ」がありすぎました……。

きちんと全EDを見ることができた達成感はあります。続編があるらしいので、それはそれで楽しみなような期待できないような、そんな気持ちです。

ちなみに好きなキャラは「ルヲ」と「ゼベネラ」です!!

対戦ありがとうございました!!!

 

 

 

⚠️以下、全編のネタバレを含む感想があります⚠️

 

 

 

ネタバレあり感想(各キャラメモ)

  • ルヲ

「春前」エンディングだけだとパンチが弱いのですが、「雨前」の狂っちゃった男ルヲが良すぎて最高でした。ありがとう雨前ルヲ…。雨前だけでご飯3合いけます。

フォロワーさんから見せていただいた小冊子で、どうもNTR属性があるわけではなさそうということが判明しましたが、それはそれとしてNTR属性がある世界線のルヲもめっちゃいいなと思いました。

 

  • 胡 青凛

青凛自身は好きなのですが、このルートが長いうえにつまらなかったのでめちゃくちゃ苦行でした。このルートの悪口をツイートしてる時におそらく本作を挫折したであろうフォロワーさんから「いいね」がきてなんか面白かったです。

まじで苦行で、なんとか青凛ルートの感想を検索して自身を鼓舞してました。正体が実は龍だった、というネタバレももちろん踏みましたが、別に初見の体験を損ねるあれではなかったです。

「おっさんの性行為のギシギシ音を聞きながら歌を歌わせるシチュエーション」は面白かったです。

青凛ともっと楽しい思い出を作りたかったのに、「おっさん性行為現場で歌唱」「ばかしかいない宮殿」「ダイジェストで捕まりダイジェストで釈放される燕来」「戦争はやめて!(それはそう)」みたいな思い出しかない…。

いちばん好きなEDは「明前」です。一緒に仙郷に行ってだらだらするやつ。

 

 

  • ゼベネラ

良い男すぎる…!! ふつうに彼のルートが一番面白かったです。体感、青凛ルートの半分くらいしかなかったです。

子を成すためだけの性行為を交わした男が、徐々に主人公のやさしさ、強さにほだされ、主人公も彼の強さ、やさしさにほだされ、互いの故郷の料理を食べようね、とかしているところがベタだけどぐっときました。

子を成したくて、「男らしい男」なのに、彼には子種がないという残酷さもすっげー良かったので、もっとそのギャップに苦悩する姿など描いてくれたらよかったなと思いました。

どんな場所でも彼は「王たる男」だということがわかる「明前」エンドが一番好きですね。砂漠の王!!

 

  • カルマ

画像

隠す意味、あります…?

終始不憫な男の子でした。青凛ルートよりは面白かったけど、「人間になりたい」と願う彼の思いがかなえられるエンディングがないのが可哀想でした。なんか縁もゆかりもない人間を助けるために人間性を捨ててほぼ獣になるというのはあまりにも、あまりになのでは?? あの主人公と一緒になんか歌を歌って人間を救うシーンをやりたかっただけでは?? まあ彼が操られてたとはいえ、人を殺めまくってたゆえに純粋にハッピーエンドにさせなかっただけかもしれないけど、操った張本人だけ「やっと死ねる――」とかいって安らかに死んでったのがふつうにむかつきますね。カルマは悪くないやろがい!!

一番好きなEDは「雨前」です。主人公の骸骨とハッピーエンド♡が可哀想すぎて、良かったです。

 

  • 玖 燕來

燕来自身は普通に良い男だったと思うんですが、私自身がこんな世界のモブたちを統治したくないという思いが強すぎて……。

「爪」の炯眼を宿し、いつ狂ってしまうかわからないなか、悠長に主人公と旅をして、(炯眼を宿したために仕方ないこととはいえ)のんきに性行為にお励みになったり踊ったりなどされていて、けっこう頭抱えました。

あんまり感想がないな…。うん、良い男でした(適当)。

好きなEDは「明前」です。カルマも生きてるし、青凛も王になれたし、燕来は眼鏡かけて髪切って先生姿がめちゃくちゃ似合ってて良かったですね。「雨前」も好き。

 

  • フェイ

私はフェイになんの思い入れもなかったので、普通に面白かったのですが、これフェイを目当てにした人たち的にはけっこうしんどくないですが…?

青凛ルートなくして「フェイ」ルートと「フエン」ルート両方つくればよくないですか?? フエンの中に確実にフェイがいるとはいえど、主人公にとっての思い出ってフエンのフェイの部分だけなので、フェイの姿として主人公とくっつくエンドがあれば良かったなーと思います。それが「雨前」なんでしょうけど、それはあまりにもあまりなのでは???

彼のルートで明かされる真実というか、「どうしてこうなったかというと――」というつながっていく部分が面白かったです。面白かっただけに、不完全燃焼感が強くもありましたね。「神的な存在の力が必要なのか、それとは決別して人間たちだけで生きていくのか」の決着をゴールにしたほうがいろいろスッキリして面白かったんじゃないのかな?と思います。蛍彗ってあいつ結局なんなの?あいつラスボスってことにしたほうが収まりよかったんじゃないの???ってすごい思います。滅びろあんな国。

好きなEDは特にないですね……。

 

  • 全体的に

主人公ボイス付きでもよかったですね。孔雀の声、お姉さますぎて主人公っぽくないなーと思いました。あと主人公の衣装がルートによっては変わってたりするのが良かったです。かわいい。

モブキャラをみんな愚かであほに書きすぎててストレスだったので、「良い人たち」もきちんと描いてほしかったし、葛藤する様子を描いてくれたほうがしっくり来たと思います。「愚かだけど、愛すべき人たちもいるこの国を導きたい。人の手で人の世を良くしたい。人を信じていきたい」と結論付けられるような人々だったらもっともっと良くなったと思います。

実際の人間ってもっとグラデーションがあって、「性格カスだけど仲良くなると面白い」とか「人よさそうだけど実は人に興味ない」とかもっともっといろんな人たちがいて、一概に単純な愚か者だとは言えないのが事実だと思います。そういう人間のさまざまな側面を、愚かさを、「悪意」以外のかたちで描いてくれたら良かったです。

全体的に「んで、何が言いたいの?」みたいなことを思うルートが多かったので、そこは明確にしたほうがわかりやすかったんじゃないかなと思います。

 

 

そんな感じです。久々にこういう感じの乙女ゲームやれて、楽しかったし、そしてつらかったです。

以上!

クローズドミステリーBL「大穢前編」全部クリアした感想

※ネタバレあります。

※めっちゃ面白かったです。

※本作は動物が死ぬ直接的な描写はないけど言及はあるのでそこだけは注意してください。

 

 

 

 

完走した感想

めっちゃ面白かった!!!!!

基本的に集中力がない私ですが一気にプレイしちゃいました。

「橋姫」同様、最初のルートが一番長くて、以降解放されるルートはそこまで長くないと思いますので、やや物足りなさを感じるものの、攻略キャラが10人近くいるのであれば充分な長さではないでしょうか。ただ青海ルートはけっこう短かった気がします。長さは有明>>>新橋>青海なのかなあ。各ルート雰囲気がけっこう違ってて、飽きがなくて面白いです。長くて嫌になるよりはちょっと物足りないくらいがちょうどいいのかも。セリフ飛ばしちゃう&読むの早い&計測してないのであまり参考にならないと思うのですがプレイ時間は10時間強〜15時間くらいだと思います。

一番好きなのは竹芝です。竹芝、絶対滅多刺しで殺すの好き〜〜口悪いところも好き〜!!「相方」になるキャラに殺されがちなの好き。後編で攻略できるの楽しみです。

あと豊洲!!!!青海いわく…らしいですが、何者なのか気になる。予告だと何やら線香花火やってるっぽいけどやってる場合か〜い!!

汐留はふっつうに大崎を陥れるので嫌いです!!!こいつ幽閉しておくのが一番安全だろ。懐いてくれてた癖によォ!!!!汐留ルートで汐留のこと愛せるか楽しみすぎる。

 

新橋について

有明ルートで「嫌い枠」になりましたが彼のルートは優勝しました。大崎に蝶々食わせたの、許す。

可愛い。新橋、口調がお嬢様なんですよね。そこが大好き。えろシーンで大崎に言う「誠に馬鹿ぁ??!」が可愛すぎて大好きになりました。天才の語彙。多分みんなこいつ好きでしょ!!!

彼が大崎祖母の墓を綺麗にしてくれてた人でした。新橋祖母も大江島出身で、大崎祖母の友人でした。律儀すぎる男。

大江杏が自分の書いた脚本の通り自殺した、みたいなこと口走ってたのが気になりました。どういういみ??あとハピエン厨なのも好き。

船野の用意したボートが沈まなかったあたり、豊洲が沈んだのは豊洲の仕業だったのかなと思います。やはり彼が施主??

新橋のルートは新橋と一緒に協力できて楽しかったです。新橋、推理力もあるし機転も利くしテンパってないとけっこう有能だと思います。

罪状にしても有明よりは情状酌量の余地ありな気がしてます。幸せになってね。

 

青海について

好き〜〜〜!!!!!ただやっぱりルート短い気が!する!

彼は大崎同様、なりすましで島にやってきていました。私は前回の感想で「ネチネチやって自殺に追い込んだんじゃないか」と言いましたが(有明がちゃんと悪人だったためそう思った)(有明も言い分としては「死ぬ自由があるので手伝っただけ」ですがナチュラルボーン悪人だと私は感じました)全然そんなことはなかったです。ただ、後悔とか嫉妬とか、自分の醜い部分を感じて、父親の罪を自身もろとも全て葬ろうとしていました。新橋ルートで青海が「脱出船を見つけて壊すつもりだった」と言ったのはそのためだったんですね。

青海ルートは、大崎の片想い感が凄かったです。あともう大崎がバイオレンス性癖を爆発させてて最悪でしたね!!草葉の陰で有明がぶちギレてそう。

「朝は生きたくて夜は死にたい」というセリフが美しくて好きでした。

大江島の波止場で船を待つ間、傘をクルクルさせてたのが彼なりの祈りだったのか、それとも全員を殺すことが成就することを祈っていたのか、単なる無意識だったのか。

最後、吹っ切れたように微笑するのが美しかったです。終始美しい男だった。遠距離恋愛頑張れ。

 

そのほかについて

ざっくり気になること。

・大江杏について、彼女の死について

・施主の正体について(彼?)、意図について

豊洲の正体について

・大江島について

有明が見つけた写真「言わざる見ざる聞かざるのポーズをした芸妓と、男」について

・大江島にルーツを持つ男たちが集まっている??

・十纏ってなに?( らしい→仏教における十纏(じってん)とは、人の心の中に存在する悪い心で、根本的な煩悩を指します。)

・くろさわ凛子ってもしかしてBGMもやってんの???誠に????

・エンディング、スタッフ書くとこほぼないから歌詞出してるとこ好き

・てかエンディング各ルート全部違うのなに????????

 

後編もめっちゃ気になりますが、前編を一気に駆け抜けられたのは良かったです。また、みんなのことがなんだかんだ大好きになって、そしてちょっぴり嫌いです。全員生還ルートあるかなあ。あると嬉しいなあ!

本当にめちゃくちゃ楽しかったー!!!

 

クローズミステリーBL「大穢前編」の最初のルートクリアした感想

※とりあえず最初のルートを攻略したところまでで一旦感想。(※全ルートクリア後、一部追記)

※ADELTA作品は「古書店街の橋姫」のみプレイ。

※最初はネタバレないですが途中からネタバレがあるのでスクロールの際は気をつけてください。(注意書きつけます)

※前情報一切何も入れたくないという方は見ない方がいいかも。

 

 

公式サイト(ブログ)リンク

adeltaz1.wixsite.com

未プレイ者用QA

Q.面白い?

A.面白すぎて6時間ぶっ通しでプレイした。

 

Q.BL興味無いけど世界観気になる

A.あんま関係ないから興味ない程度だったらやってみては。逆に男同士の恋愛描写をメインとして見るとそこが主軸ではないので注意。

 

Q.怖い?

A.恐怖感は主観なのでなんとも言えないが怖くないです。ジャンプスケア(びっくり要素)は今のところ見てない。サスペンス特有のヒリつき感はある。「金田一少年の事件簿」くらい怖くて「地獄先生ぬ〜べ〜」より怖くない。

 

Q.動物死ぬ?

A.最初のルートだけのプレイなので今後は分からないが今のところ死んだのは蝶々だけ。他の動物は出てないし死なない。なお人間はいっぱい死ぬ。(追記:直接的な描写ではないものの、猫が殺されるという言及が少しありました。ちなみに某ルートで猫は登場しますが、愛されてる様子がうかがえるのでそこはご安心ください。私はフィクションの動物の死にめちゃくちゃめちゃくちゃ心を痛むタイプなので記載しました)

 

Q.どんな人におすすめ?

A.(1ルートしかやってないのを念頭に置いていただくと)孤島での殺人事件、秘密、謎解き、本当にこいつらとボーイズラブ行為するんですか????!!!という困惑、乙女ゲーム会社でいうTAKUYOが好きな人におすすめ

逆に、上記要素を含む自殺・殺人などの描写やインモラルな展開・性癖が嫌い、という人は向かないと思います。あと受験・試験を控えた人とかもやめたほうがいいです。面白すぎてやめられなくなって今後の人生台無しにするかも。(誇張表現の広告みたいな言い回しになった)(私は試験の前に「ひぐらしのなく頃に」にはまってしまい一切勉強やらずに大変な成績になった経験があります)

 

ネタバレなし感想

ほぼ前情報ない状態でプレイしまた。1ルートクリアした感じすごくすごくすごく面白いです。同じ作者の「橋姫」でも思いましたがこいつらとどうやってラブを育むの?!というワクワク感とかこいつらの秘密は?そもそも黒幕って?みたいな謎解き要素もふんだんにあるので飽きないです。謎解き要素は好きですが、解けたためしはないので、そういうの得意な人からしたらけっこうすぐわかるのかなー?とちょっと気になりました。

好きそうなキャラが死ぬとショックなのですが、全員攻略できるということでそこは安心しました(前情報一切入れなかったので攻略人数が不明だった)。

ちなみに私は正直BL萌えはほぼしないのですがそれでもめっちゃ面白いと感じてます。3年後くらいにはSwitch後継機で移植されそうではありますが待つ意味はあまりないと思うのでぜひ一緒に楽しんで欲しい〜!!!!

 

 

 

⚠️以下、1ルート目を終えたネタバレを含む感想・妄想があります⚠️

 

 

 

 

とりあえず各キャラの雑感など。

 

 

好き/気になるキャラ

・竹芝

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ビジュ好き。失禁しながら死んだ時はけっこう悲しかったと同時に少し興奮しました。(この時、全員攻略キャラだと知らなかったため、残念に思ってはいた)

罪状は確か家族を燃やして殺した、というもの。本人曰く「父親の火の不始末」だが本人の口から語られる言葉など信用性がないし有明ルートを思うとまあ普通に殺しちゃったんだろうな、と。

おそらく後編で攻略できると思うのですっごく楽しみです!

 

・青海

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すっごく落ち着いた「橋姫」の玉森もしくは絶望先生みを感じる。感情の起伏が感じられないし淡々としてて好きです。彼の罪状は「生徒を自殺に追い込んだ」ものらしいですが普通にネチネチやったのかなという予想。

 

豊洲

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有明ルートでは「誰がボートに細工をしたか」は解決してないような?また、電話や発電機を破壊したのも誰かもわからなかったと思います。

大崎は豊洲が電話を壊したのではないかと推理してます。また、有明ルートではボートが沈没して、おそらく豊洲はそのまま…ということですが明確に死亡した描写がないことから、実は生きててこの人が黒幕なんじゃないか…ということを思わせるミスリードキャラかもな、と感じてます。

彼の罪状は不明です。「食糧を盗んで1人で逃げ切るつもりだった」というのが事実ならめっちゃ最悪で好きすぎる。ボートが1人しか乗れないと言い出したのも彼ですからね。攻略対象ということでこれも楽しみです。

 

嫌い/ムカつくキャラ

※嫌いという感情も肯定的に受け止めているので、嫌い=作品として嫌い、攻略キャラとしてありえないと思っている訳ではありません。大嫌いってちょっと好きなこと。

有明

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今回の攻略キャラであり、ある意味あのカオスを生み出した張本人。最初から好感度MAXの美青年。大崎がキャラメルを盗んだ相手ってもしかして…と思ったらやはり彼でした。有明が少年のころ、見知らぬ少年(大崎)から理不尽な暴力を受け、そのことから大崎に恋をした被虐願望のある人物です。元々被虐願望があったのか、あるいは目覚めてしまったのか。大崎いわく煽ってきた(ように見えた)とのことですが、まあ加害者ってそういうものですよね。

汐留を解放した張本人です。大崎に全員を殺してもらって、そして二人きりで生き残るためにあの手この手で自分とその他を分断しようと画策します。そしてそれは成功します。ずり~~~けど大崎もポンコツなのが悪いよね。仕方ないね。

有明だって容疑者の一人なのに、怪しい面があるのに、自分を慕ってくれるから、いつも笑顔で自分に好意をいだいてくれるから、といったような理由で容疑の目を背け、結果的に有明の騎士として他のメンツを手にかける大崎、キショくて良かったです。有明も最初からキショくて、メンヘラで、やたら重いところが気持ち悪くて好きでした。確かに"いじめたくなる"タイプかもしれないですね。

罪状としては、「妻を二人殺害した」というもの。本人曰く自殺志願者の妻の手伝いをしたというものですが、二人目には抵抗されたので、まあ普通に殺人ですよね。情状酌量の余地なし! きっかけとしては父親の尊厳を守るために父親を見殺しにしたことから、自分のその行為を正当化するために自殺ほう助をするようになったのかな…と思います。すっごく狡猾で、メンヘラで、「自殺ほう助願望」と「被虐願望」があるという最悪の設定てんこもりでした。

最終的に、生き残った彼らは、なんだかんだあんな感じで過ごしていくのかな…と思います。最悪ですね。

別ルートでどんなふうに殺されるのかな、と思うと楽しみです。

 

・新橋

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ふつうに性格悪いので嫌いですね。なので楽しみです。独善的な性格なのにけっこう精神的にまいっちゃうところとか市場前と一緒にキチガイのようにゲラゲラ笑いあうところは面白かったです。罪状は不明です。

竹芝を毒殺した張本人ですが、本当は大崎を殺害したかった模様。新橋からしたら、大崎を殺せればそれで良いけど、別に他の人が死んだら死んだでそれもどうでも良いと思ってのことでしょう。自分自身はお茶を飲まないわけですしね。(お茶を飲まなくても初日からそうなので別に怪しまれないし)

 

・市場前

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ふつうに性格悪いし卑怯なおじさんなので嫌いです。なので楽しみです(パート2)。

「がんばれがんばれ!」って無責任に若者を鼓舞するところが最悪で年長者としてあるまじきカスさで好きです。罪状は不明です。

 

そのほかのキャラ

・大崎(主人公)

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「有能探偵だ!」と思ったらふつうに私情挟むしそれゆえにポンコツだしで全然有能探偵じゃなかったです。イメージしてたよりもちゃんと人間臭くて、「協力し合ってやり切ろう」とするところ、そのほかくそがつくほどの真面目さっぷり(融通の利かなさ)はけっこう好きですし、有明のハニートラップにふつうに引っかかるダメさというか、普通さも好きですが、キャラクターとして好きなほうかといわれるとそんなことはないですね。いやまあ好きなんですけど私はどのキャラも…。

祖母を喜ばせたい一心でキャラメルを奪い、そのことに気づいた祖母が焼身自殺を図る。また、「実母と実兄の間から生まれる(近親相姦)」、ほか「加虐願望があるっぽい」など有明同様に要素てんこもり男です。かわいそう萌え。

ちなみに、総攻めのキャラですが、まあ総攻めのほうが物語的に都合がいいし違和感ないかなと思います。「抱く」「抱かれる」の非対称さってありますからね。そういう意味では「BLゲーム」だから成り立つ関係性なのかとも思います。「主人公はどちらかというと受け派」ですが、気にはならなかったです。最初のほうでも言いましたけど、そもそもさほど「BL描写」には萌えないので、それゆえにこだわりもないのでやりやすいという面があると思いました。

 

・日出

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今のところ無害な少年です。ぜったいなんか裏があると思ってますが、今のところ不明。大崎(台場)同様、代理人で罪状も彼の母のものということですが、台場静馬の罪状が父親ではなく静馬自身のものだったことから、彼もまあなんかあるんでしょうね。(追記:案内状は静馬自身に届いてた気がしてきましたので左記は勘違い)それが黒幕ということなのかどうかは定かではないですか。ちなみに松葉杖をついていることに最後まで気づかなかったというか全然気にしなかったです。(イラスト見るとついてるっぽい)

 

・汐留

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やや嫌い寄りですが、逆に突き抜けてて面白くもあり…。大崎に罪を暴かれてからのやりとりが面白かったです。緊迫しているのに抜けているというか、緊張と緩和のバランスが絶妙でした。「おやすみなさいって言ってもらえないと寝れない」というのが彼のルートで回収されるのか気にしています。罪状は明かされてましたっけ。忘れました。

 

・船野

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おどおどびくびく使用人。すぐ死んでしまうので、最初は攻略対象外キャラかなと思ったものです。何もよくわかってないので特に何も思いはありません。罪状は「きょうだいを殺した」だっけ…。

 

謎について/そのほか

・大崎の墓参りで、遭遇することのかなわなかった人物とは何者なのか

・大江杏の死について全般

・黒幕(施主)はだれなのか、なぜこんなことをするのか

・電話を壊したのはだれか、発電機のポンプなどを壊したのもだれか

ゆりかもめモチーフなんですか?東京ビックサイトさんはいないのか(ゆりかもめになじみがないので私はキャラ名を全然覚えられなかった。中央線とかでやってくれ)

・書かなかったけどサブキャラの新木場さんが好きなのと、有明と新木場さんを重ねるシーンで半透明の新木場さんが右のほうに出てくるのシュールで好き

・船野さんが死んだあとらへんの阿鼻叫喚でみんなが馬鹿みたいにギャーギャー騒ぐところ面白くて好き。そういう緩急好き。

・後編はいつ発売するのか

 

 

 

思いつくところとしてはこんな感じでしょうか。

面白すぎてかなり駆け抜けたプレイになってしまったのでもっとじっくりねっちょりプレイしたいですね。あと単純に私はあほなので、記憶力も推理力もないのでもうちょいスクショしたりこまめにセーブして見返せるようにしたいかな…。

前編は有明以外に、新橋と青海が攻略できるらしいので今からちょーーー楽しみです!!!

 

 

 

Switch版「夏空のモノローグ」全ルート終えた感想

2024年は「デスペラドロップス」「ときめきメモリアルGS4」以来となる乙女ゲームでした。

「夏空のモノローグ」の致命的なネタバレを普通にしてます。未プレイの方は参考にならないと思いますのでご注意ください。

 

 

 

乙女ゲーム」という媒体の懐の深さを感じた作品でした。

キャラデザだったり文体だったりノベルゲーっぽい画面だったりで感触としては「どちらかといえばギャルゲーっぽさ」を感じてました。ライターさん、ギャルゲー書いたら良さそう。

恋愛描写はTwitter(現:X)でもさんざんツイートしましたが、もうワンエッセンスでいいからなにかエピソードがあれば良かったです。特に先生は、とってつけたような最後のプロポーズ?は脈絡がないように感じられたので。ただそこを入れてしまうと全体的に冗長になってしまいそうなことと、主人公が最終的に真に明日を望んでいたわけではなかった、という事実を鑑みると、「あんなに各ルートでいろいろあったのに主人公には響かなかったのか?!」となりそうであるので、致し方ない面はあります。

未来の2人の話とかもあって欲しかったのですが、それもまた「何度も繰り返し見ることができるゲームという性質」と「ループがなく、同じ日はもう二度と来ない日々」との相性が悪いのでしょうがないのかな…とも思ってます。しょうがないことばっかだな。

科学部のみんな、ほんとうに良い子で、ありえんくらいの良い子で、これどちらかといえば「恋愛」よりも「友情」のほうがよく描いていると思ってて、もっといえば「男同士のケア」が描かれているように思いました。《描いている》というとなんか違う感じもしますが。におわせている、と言った方がいいかも。

本質的にみんな孤独であり、お互いの傷を見せあうことは無いけど、一緒にいることでケアし合う関係になっているんじゃないかなと。別になんも解決しないんですよ。先生の弟の病気は治らないし、篠原くんの記憶障害も治らない。カガハルくんの右手も治らないし、木野瀬くんが好きだったあの子の記憶も戻らない。部長のお父さんも帰ってこない。

「二十億光年の孤独」という谷川俊太郎の有名な詩があります。

すごく本作と、あるいは部長とマッチする詩だと思いましたのでぜひGoogleなどでググッたりして読んでみてください。すごくいい詩です。

前回の途中経過感想でポロッと書きましたが、真相ルートで特定のキャラとしか結ばれない真エンディングを迎えたら嫌だな、と書きましたが、実際は「主人公が今後誰と過ごすかあるいは過ごさないか」は決まっていないのでそこは良かったなと思います。なので綿森とはハグだけだったのが逆に良かったですね。

乙女ゲームで、何千年とループした主人公が報われない終わり方をしていたのがほんっっっっとうに最悪だなと思ってたので、ああいう形で綿森が報われたのは本当に本当に良かった。

あのね、ゲームなんてね、一方通行の他媒体と違ってユーザーがインタラクティブできる媒体なんだから絶対ハッピーエンドがあった方がいいんですよ。特にさあ何千年何万年もループしたやつなんかいる作品はさぁ。都合のいいハッピーエンドってバッドエンド擁護する人がよく言いますけどそれバッドエンドにも言えますからね。都合よくバッドエンドにしてんだからさあ!

とまあ別ゲームの呪詛はさておき…。

乙女ゲームやってて泣いたことはあまりないんですが今作もガッツリ泣いてはないもののちょろっと泣けたシーンがいくつかありましたね。しんみりきたり、ほろっときたり……。1番グッときたのはやっぱなんだかんだ先生ルートかな。「奇跡なんて起きないと知ってるけどそれでも明日が良い日になることを信じずにはいられない」という無常観が良かったです。救いはないけどそれでも……というささやかな希望とやるせなさがありました。先生とのロマンスも感じられたらもっと良かったです!

あとグラなしキャラとのエピソードでありつつも印象深かったのは母親との和解と、女友達ができるところです。「乙女ゲーで女友達とかいらねー」と思ってきた私ですが最近はわりと「いる派」になりつつあります。何百何千のループの積み重ねで、少しずつ勇気が蓄積された主人公が頑張って一歩を踏み出すのが良かったです。わりと各キャラのルートでもいろいろな形の弱さを見せた主人公なので尚更。

自分が好む乙女ゲーが多分そういう傾向なんだと思いますが、「攻略キャラを勇気づけ、ケアする存在/攻略キャラを狂わせる存在」が多い気がする乙女ゲーという媒体の中で、主人公は正直攻略キャラのメンタル面でそこまで致命的な役割を持っていないのが逆に本作らしさがあって良かったと思います。選べる道はひとつに集約されるので主人公がいないと生きていけないキャラがいたらしんどいですからね。

 

「夏空のモノローグ」、すっごい激刺さりというわけではなかったのですが、じんわりと「好きだなあ、良かったなあ」と思う作品になりました。

私はわりと乙女ゲーやる時は怒ったりときめいたりすることが多いのですが基本心穏やかにプレイしてたと思います。良いことというわけでも悪いことというわけでもないのですが。

「乙女ゲー」を「恋愛だけの作品」のみと位置づけするとしたら非常にパンチが弱いですが、乙女ゲーってなんでもありですからね。

良い作品でした!対戦ありがとうございました!

 

最後に「あつまれどうぶつの森」で再現した部室を載せます。作りたくなっちゃうね。

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Switch版「夏空のモノローグ」の経過報告

現時点での感想とか考察とか思ってることを書きます。この段階でのネタバレとかあるので全くの未プレイ者がこの記事を参考にするのはやめた方がいいと思います。

 

攻略済みのキャラクターは以下(攻略順)

・カガハル

・篠原

・先生

・木野瀬

 

以下ネタバレありつつ振り返っていきます。

 

・ざっくりとした感想

このゲームやってるとおかゆを食べたくなるのですが、まあそういう感じです。(感想…??)

 

・攻略キャラの対比について

4名の攻略を終えたあと、こんなふうに思いました。「彼らはみな何かを失っているか、あるいはこれから失ってしまうか」そして、「記憶喪失前の主人公と出会っているかいないかの違いもあるな」と。

カガハルくんは、右手の機能を失い、記憶喪失前の主人公に励まされたことで主人公を想うようになった。

篠原くんは、(今も記憶を失っているが)これからも記憶がどんどん失ってしまい、記憶喪失前の主人公には出会っていない。

先生は、これから弟の命を失うことになり、記憶喪失前の主人公とは出会っていない。

木野瀬くんは、恋人の記憶(ある意味命といってもいい)を失い、記憶喪失前の主人公に一目惚れし、かなり良い仲になっている。

これから攻略する部長は、どっちになるのか、何を失った(失う)のか。

綿森くんもそうですね。これから楽しみです。

 

・終わらないループについて

部長がいうループの停止は、「9/29が終わって9/30が来る」感じで締めくくるのかなと思ったらどうも「9/29のループを終わらせる→ループのしない9/29がやってくる(みんなは9/29朝に飛ばされる)→通常通り9/30がやってくる」という流れなんだなあなんか不思議だなあとまず思いまして。

そしてみんなの様子を見るとどうも「ループを停止してもみんなの記憶が失われるだけで結局ループは終わっていない」っぽいですね。

で、私がすごい懸念しているのは、「各キャラとのルートはなかったことになり、真エンドは特定のキャラとの恋愛で終わる」って展開だったらいやだなあってことですね…。

別に真エンドが特定のキャラでもいいんですが、最終的にループのない未来で主人公が誰と恋愛関係になるのかはせめてぼかした終わり方じゃないと、私は暴れると思います……。

今からめちゃくちゃ対アリのネタバレしますけど、「各キャラとのルートはなかったことになり彼だけが残るED」だったら私こんなに対アリのこと好きじゃなかったと思うので、ここら辺はまじで「頼むよ……」という思いです。

ちなみにいちばん最初にプレイした時に出てくる数字は「12」で、周回するごとにめちゃくちゃその数字が増えるのですが、これって「7/29が繰り返された回数」なのか「ループ」の回数なのかどっちなんですかね。綿森くんのあの感じからすると後者な気がしますが。

 

・綿森くんについて

多分全ループの記憶を持ってるのは確かで、そしてなぜか主人公に「罪悪感」を持っている以外はまじで謎の存在です。

主人公とどういう関係なの?

 

・タワーについて

主人公が生まれた歳じゃなくて「30」年前ということになんか意味がありそう、ということ以外まじでなにもわからない。なんなの?

 

 

感想や考察とは言えないただの雑文でした。

ちなみに今のところ、先生>カガハル>篠原>木野瀬の順で好きかな。篠原と木野瀬はすっごい僅差。

 

The painscreek killings プレイ感想

 

  • 感想(ネタバレなし)
  • 攻略情報
  • 参考にしたサイトさん
  • 感想(ネタバレあり)

 


◉感想(ネタバレなし)
 無性に推理ゲームがやりたくなり、「Return of the Obra Dinn」と迷って、割引セールだったこともあり結局こちらにした。

 

 結論。

 めちゃくちゃ面白かった!
 探索して、日記帳とか集めて(ペインスクリークの住民、日記書きすぎ)、鍵見つけて、見つけた鍵を使って、また探索して日記帳集めて……の、言ってしまえばただそれだけの繰り返しなのだが、見つけた日記や、探索した部屋の様子(血痕があるとか、薬の容れ物があるなあとか)から色々推理して考察するのは楽しかった。
 公式で推奨されている、「自分でメモをとる」という作業も、本当に自分が探偵(主人公はジャーナリストだけどね)になったような気分になった。
 考察したり、推理したり、メモをとったり、そういう能動的な作業をするのが好きな人や、あるいはゴーストタウンを散策するゲームをやりたい人にはおすすめの作品だと思った。
 ただ推理ゲームと言っても、「逆転裁判」シリーズみたいに、自分で見つけた証拠から矛盾を突きつけるとか、アイテムの組み合わせで何かを見つけるということはない。ただ入手した情報を読んで、「ああかなこうかな」と考え、新たな情報から「ああやっぱそうだったんだ」となるだけで、やってることは正直地味だし、「うおおお!」となるようなトリックとかは別にない。正直、「犯人」も推理しなくても鍵とか集めて「真相」がある場所に行けば自ずとわかってしまう。
 圧倒的な推理!驚きの結末!というよりも、住民たちの視点から少しづつ、「ロバーツ家にまつわる住民たち」の歪さ、不穏さが浮き彫りになってゆくのを噛み締めるのがこのゲームの醍醐味なのかもしれない。
 個人的にはすごく楽しめた。
 難点を上げるとしたら、
 ・酔いやすい
 ・操作性が悪い
 ・推理しなくても犯人がわかってしまう
 くらいかな。
 ただ、上2点は、PCのキーボード・マウス操作が慣れている人なら問題ないと思う。私は不慣れで、PS4コントローラーでプレイした。
 あと、ちょっとホラー描写があるので、苦手な人は誰かと一緒にプレイすると良い。
 私は家の人と一緒にやったが、一人でやるよりも誰かいた方がホームズ/ワトソン的な感じで楽しい……かもしれない。

 ぜひ遊んで欲しい一作です!!
 Switchとかでも出て欲しいなあ。

 

◉攻略情報
意地悪な要素はほとんどなかったと思う。それでも詰んで攻略情報を見たので、必要そうな情報を下記に書いておく。

・「年月日」がロックの答えになる場合の表記方法
「1991/10/2」→「10291」、「1021991」、「100291」
とにかく、「月/日/年」になることに注意

・写真の用途
道中、特定の写真を見せて進める(クリアする)ということはない。EDで写真を選ぶが別に何でも良いっぽい。ただ自身の攻略上必要になるだけ。写真の保存上限はない? ので撮りまくった方が良い。

・よく見えないけど攻略に必要な情報
墓石には名前以外にもよく見たら日付が記載されている。他にも、よく見たらボタンがあるとかよく見たら文字が書いてあるということがあるので拡大+写真撮影は重要。

・メモのとり方
プレイしていて、一番困ったのは、「これどこの鍵?!」と焦ること。デスクの鍵とか言われても、デスクって何どこ?! となってしまったので、メモする時は、「開かない場所」を併記すると良い。また、それが鍵で開くのか、数字で開くのか、数字なら何ケタかも書いておくと非常に便利。
当然、人の名前と、その人が何者なのかもメモしておくと良い。あと年代! 年代を一切メモらなかったせいで時系列がぴんとこないことが多々あったので。


◉参考にしたサイトさん
https://inter7.hatenablog.jp/
 ∟プレイメモ
http://mmrgogype.hatenablog.com/entry/2018/11/11/090536
 ∟攻略メモ
https://wikiwiki7.com/The_Painscreek_Killings/index.php#pop-menu
 ∟攻略wiki

 

 

 

◉感想(ネタバレあり)

以下はネタバレありの感想

 

 

 


チャールズが悪いよチャールズがーーー!!!!!
でもソフィアにちゃんと想いを告げなかったマシューも悪い気もしてきた。いや、人殺ししたビビアンも悪いけど。悪いけどさ、やっぱチャールズ、お前が悪い。
ビビアンもかなり出来る女だったようだし、チャールズなんて捨てちゃって、独り立ちしても良かったんじゃないかなあ。ビビアン側もソフィア側もマシュー側も、同情できる余地があるだけに「チャールズ貴様だけは許さん」という心境になる。
みんながみんな最悪の一手を指し続けてきた結果が町ごと人がいなくなるという事態に……。なんてこった。
最後、主人公をソフィアは助けてくれたけど、ソフィアはスティーブ・モスは助けなかった。さらに、行方不明の男の子を助けず、行方不明の女の子は助けたのって、ソフィア自身は「もう男はこりごりナリ〜」っていう気持ちの表れなのかな。
本作の可哀想ナンバーワンはスコットだと思う。バーナードがやべえやつで勘違いで殺されちゃうし。バーナードってその後どうしたのかな。生きてて無罪放免とかだったらちょっと嫌なんだけど! バーナードのお墓ってあったっけ。また確認しなきゃ。
お医者さんの横領回りのこととか、ビビアンの浮気相手のこととか、行方不明の女の子のこととか、女の子が描いた地図に血痕らしき絵が描いてあることとか、屋敷に侵入した165cmの男のこととか、正直まだ謎の部分があるのでやはりもう一周しようかなー。

 

大正×対称アリスは乙女ゲームの業の肯定

※対称アリスのネタバレとStarry☆Sky in Winterの桜士郎√の一部ネタバレがありますのでご注意ください。

 

 

「対アリは乙女ゲームの業の肯定だ」とよく言っている。

この言葉は、落語家・立川談志の「落語とは人間の業の肯定である」という台詞の一部をすげ替えて使っている。
私は落語に造詣がある訳では無いので、談志の用いたこの台詞をきちんと理解した上で適用した訳ではなく、字面から受ける印象のみでこの言葉を使っているということを、まずご理解いただきたい。

 

乙女ゲームの業とはなにか。

そのまま、乙女ゲーム(恋愛ゲーム)のシステム自体が業であると思っている。

乙女ゲームの攻略キャラクターは複数人で、主人公は単独である(複数主人公でも主人公の数が攻略キャラクターを上回ることはないと思う)。
その中から選んだ、あるいは決められた順番で攻略キャラクターと深い関係(主に恋愛)を結ぶことになるのが基本的な乙女ゲームの解釈で間違いないと思う。

具体的にいうと、

・攻略キャラクターにとって、主人公は一人しかいないのに、主人公は攻略キャラクターなら誰とでも関係を結ぶことが出来る。
・選択肢を間違えても、何度でもやり直すことが出来る。
・一人の攻略キャラクターとハッピーエンドを迎えたルートでは、他の攻略キャラクターとハッピーエンドになれない。

以上が、乙女ゲームの業だと思っている。
乙女ゲームではなく、また未プレイだが、ギャルゲーの「君と彼女と彼女の恋。」は上記の要素にかなり突っ込んだ作品らしい。参考までに)

私が最初に「乙女ゲーム(恋愛ゲーム)の業を指摘している」と思ったのは、「Starry☆Sky in winter」の白銀桜士郎√から。
スタスカシリーズ」は春〜冬の4シーズン出ていて、ワンシーズンにつき3人・計12人+αの攻略キャラクターがいる。
桜士郎はその+αのおまけ的な攻略キャラクターで、√解放は、冬の攻略キャラ3人のグッドエンドを見てからである。

詳細は省くが、桜士郎√でこんなシーンがある。
「君は春、夏、秋、冬の攻略キャラたちに守られてきた。それに気付かないといけない」
「君はこれから巡る季節の中で、君を待っている人がいるかもしれない」
というようなニュアンスのセリフを言い、主人公への愛を拒絶する。それに対し主人公は、「私は無意識に大切な人達を傷つけてたのかもしれない」と考えるというもの。

それはまさに、(システム的には違うが時系列的には)春〜冬の攻略キャラクター12人とのフラグを全てへし折って、桜士郎√に辿りついた主人公の持つ業(攻略キャラクターたちに対して、主人公が一人という構造)の指摘ではないだろうか。

このような乙女ゲームの持つ性質に対するメタ的な指摘のある作品は、恐らく他にも数多く存在するだろう。良かったらぜひ教えて頂きたい。


さて、ここで本題の、「対称アリスは乙女ゲームの業の肯定」に繋げていく。

「対アリ」では、攻略キャラクター7人全員に対して7人の主人公(ヒロイン)が存在する。
それぞれの世界で、それぞれの主人公と共に生きていく。
(主人公は有栖〇〇(デフォルトネーム:百合花)と固定だが、物語を進めていくうちに、彼女たちが完全な同一個体ではないとわかる)
ゲームマスターであるオリジナル・有栖〇〇の愛をマテリアルとして生成された、プレイヤー・有栖〇〇たちが、攻略キャラクターたちにその愛(=自分自身)を与える。

それは、データを分けて、様々な攻略キャラクターとのハッピーエンドを見ることの出来る乙女ゲームというシステムの業の肯定なのではないか。


また、「対アリ」の物語の構造は、乙女ゲームのシステムのメタフィクションであり、選択肢のミス=バッドエンド→ロードの流れは、物語構造に組み込まれたシステムである。
そこに、失敗してロードすることそのものに意味を持たせ、また、ハッピーエンドを目指すことを目的ともしている。

 

失敗しても何度でもやり直して(ロードして)いい。
攻略キャラクターは全員、同じ時列の異なる世界の中で、一人の主人公に愛される。

上記の要素を、「肯定」と捉えるか「皮肉」と捉えるか、それは各々の判断に任せるが、少なくとも私自身は、乙女ゲームというシステムの持つ業を可視化させ、更に
それを力技でまとめあげ、ハッピーエンドに導くことを「肯定」と捉えたい。


更に、乙女ゲームの業の肯定だけではなく、虚構(夢の世界)の肯定も含まれている。

エピローグでは虹がかかり、その虹をアリスと主人公が駆けてゆく、というもの。
アリスは「ここは夢の中だから何でもできる」と言う。

それは、虚構世界が現実世界の下位互換ではなく、ある意味で上位互換であり、肯定されるべき世界であることの表れではないだろうか。

 

乙女ゲームの業と、虚構そのものを肯定した作品が「大正×対称アリス」である。

我々は、乙女ゲームのみならず、様々な虚構の世界のキャラクターたちを愛することを、許されているのだ。

 


以上。

 

 

 

 

大正×対称アリス all in one - PS Vita

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Starry☆Sky~Winter Stories~

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